
海外で個人事務所を設けて仕事をし、自宅の家もあるのでは、後の処理が大変だ。都内に住む奥様が急きょカリフォルニアへ向かったと言う。F先生は朝事務所に出勤して突然倒れ、そのまま意識が戻らずお亡くなりになったという。年齢はもう77歳くらいになるのでは。
ここに一冊の本がある。F弁護士さんが1998年に出版した「日/米国際訴訟の実務と論点」「訴状の送達から判決の執行まで」というサブタイトルがついている。
たくさんの法例や問題点など難しい日米国際訴訟の法律の本だが、わかりやすく書かれている。この本の出版記念パーティが当時学士会館であり、私も呼ばれてサイン入りでいただいた記念すべき本。
F弁護士さんは1959年東京大学法学部卒業、ワシントン大学ロースクールで修士、同ロースクール助教授を経て、東京の法律事務所で弁護士として活動していた時、私がニューヨークから戻り、この事務所に就職、4年ほどお世話になったところだ。
この20年間はカリフォルニアへ住居を移し、最初は大規模法律事務所に勤務したが、後に独立、個人事務所を持ち、弁護士としての業務をやっていた。まだまだ現役でご活躍の中、突然倒れたという。
やはりある程度年を取ったら、海外から引き揚げるなり、身の辺の整理をしたりしておかないと残された家族に迷惑がかかるなあ、と思った。人間明日死ぬとも思って生きてないから、、、
確かお嬢さんも東大出てワシントン州と日本の弁護士資格を持っていると聞いている。お嬢さんが後を継ぐか、整理をするだろう。
F先生のご冥福を祈る。