昨夜NHKで「正社員が危ない」というタイトルが放映されていた。突然会社を解雇される「ロックアウト型解雇」が増加しているという。これは会社で突然IDカードを取り上げられたり、長期間自宅待機を命じられるなど、一方的に職場から閉め出される解雇をいう。過激な解雇だ。

今までは派遣社員や契約社員の雇用継続が絶たれることが多かったが、いよいよ正社員にもその影響が出ているという。

小泉政権時代に派遣労働法が改正され、製造業も派遣社員を雇用できると聞いてこれは危ない法律だと思ったことを覚えている。案の定、企業にとっては都合のいい雇用形態が横行することになってしまった。

不当な整理解雇や退職強要が行われても、労働基準監督署には紛争解決の強制力がなく、裁判で勝訴しても、実際に元の職場に戻るのは難しい。私のまわりには最高裁まで争って勝訴し、会社に戻っている人も何人かいる。労働裁判は厳しいものだ。どんなに企業に非があっても、資金・権力のある企業は強い。個人が企業に立ち向かうことは容易でない。まず収入を絶たれて裁判をしなければならないことは兵量攻めで戦うことだ。その上裁判官も強い方の味方と感じることもあった。

正社員の解雇はさらに加速するだろうという。私が尊敬する経済評論家の内橋克人さんが正論を言っていた。

今の時代はほんとうに生きにくい世の中だ。年間3万人以上も自殺者が出ていることが異常だ。雇用を絶たれるということは即経済生活を絶たれるということなのだ。これはむごい。子供たちも含めて家族全員悲惨なことになる。住むところも追われ、教育も受けられず、どう生活していったらいいのか、途方にくれることになる。生活保護を受けたくても、車をもっていてはだめ、貯金があってもだめ、とかハードルが厳し過ぎる。

安定した雇用を確保し、定年まで働き続けられる当たり前の幸福を庶民が得られる世の中に今の政府はやってほしい。二世議員ばかりでお金の苦労のない政治家ばかりだし、やっと民主党になったと思ったら、ここでも利権とお金が暗躍している。それも億単位の金額、庶民にはほど遠い金額。もううんざり。