第67回産経児童出版文化賞の大賞受賞者への賞贈呈が7月27日、東京・大手町の産経新聞東京本社で行われた。

新型コロナウイルス感染防止のため贈賞式は開かず、昨年臨席された秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまから文書でお言葉が寄せられた。



【第67回産経児童出版文化賞】花形さんに大賞贈呈「二重の喜び」

産経新聞 2020.7.28 07:36

https://www.sankei.com/life/news/200728/lif2007280006-n1.html

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大賞を受賞した「徳治郎とボク」の作者の花形みつるさん(右から2人目)。花形さんの左には理論社の内田克幸社長と副編集長の芳本律子さん。一番右は産経新聞社の飯塚浩彦社長=27日、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)

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 第67回産経児童出版文化賞(産経新聞社主催、フジテレビジョン、ニッポン放送後援、JR7社協賛)の大賞受賞者への賞贈呈が27日、東京・大手町の産経新聞東京本社で行われた。新型コロナウイルス感染防止のため贈賞式は開かず、昨年臨席された秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまから文書でお言葉が寄せられた。


 大賞の「徳治郎とボク」(理論社)は、大正生まれの気難しい祖父、徳治郎の晩年を孫の少年の視点で描いた小説。賞贈呈では産経新聞社の飯塚浩彦社長が「本当によい作品ばかり。これからも児童出版文化発展のお手伝いができれば」と述べ、著者の花形みつるさん(66)も「とても光栄です。徳治郎のモデルは亡父で、受賞は供養にもなって二重の喜びです」と感慨を語った。


 産経児童出版文化賞は、次世代を担う子供たちに優れた本を紹介する目的で昭和29年に創設。今年は、昨年1年間に出版された児童向け図書など4236点の中から、大賞など8作品が選ばれた。

 



第67回産経児童出版文化賞】佳子さまお言葉「魅力あふれる作品
 くらしの彩りに」

産経新聞 2020.7.28 07:39

https://www.sankei.com/life/news/200728/lif2007280006-n1.html

 

第67回産経児童出版文化賞に際し、秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまが文書で寄せられたお言葉は以下の通り  



 「第67回産経児童出版文化賞」の各賞を受賞された方々に、心からお祝いを申し上げます。そして、これまで児童出版の分野で力を尽くしてこられた皆さまに、深く敬意を表します。


 好きな本に没頭すること、本を読んで新しい世界を知ることなど、読書には様々な楽しみがあると思います。誰かと一緒に本を読んで、思い出に残るひとときを過ごすこともあるかもしれません。


 「産経児童出版文化賞」は、幅広い分野から魅力的な本を選び、子どもたちに紹介する大事な役割をはたしてきました。今年は、4236冊の対象作の中から8冊が選ばれました。


 大賞の『徳治郎とボク』は、作者の実体験をもとにして書かれた物語です。「ボク」と祖父の徳治郎は、様々な時間を共に過ごしました。徳治郎の子ども時代についての会話や二人でした畑仕事、そして、徳治郎の老いと死を家族の思いとともに受け止めた経験を通して、「ボク」が成長していきます。多様な登場人物の心の動きと、それを4歳から中学1年生までの「ボク」がその時々の目線で見つめる姿が印象に残りました。

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 『きつねの橋』は、作者が『今昔物語』から着想を得た平安時代のお話で、実在の人物も登場します。貴族のもとで働く若者が、人に化けるきつねや仲間と力を合わせ、姫君を助けたり、盗賊と戦ったりします。はらはらしながら読み続け、最後はやさしい気持ちになりました。


 『なっちゃんのなつ』は、夏の風景や風習を力強く描いた作品です。茂る夏草やそこに出てくる生き物、なっちゃんと祖母の姿から、命の営みが伝わってくるような気がしました。なつかしい夏の記憶が呼び起こされ、思い出話をしたくなる人も多いのではないでしょうか。

 
 『家をせおって歩く かんぜん版』は、手作りの家をかついで歩き、様々な地域に滞在した作者の体験をまとめた本です。行く先々で出会う親切な人たちとの素敵な交流も紹介されています。作者が町全体を大きな家と考え「間取り図」と表現した地図などを見ながら、そこで生活する気持ちを想像しました。


 『しろとくろ』には、猫と犬が野原で出会い、仲良くなっていく過程が、躍動感にあふれた絵で描かれています。「なんで」という問いかけをはずむように繰り返す文章は、声に出して読んでみたくなりました。読み終わった時に、自然と笑顔になるような作品です。


 『ふるさとって呼んでもいいですか』は、6歳でイランから来日し、日本で育ち在留特別許可を得た作者の自伝です。当事者の経験や思いが、子どもにもわかりやすく書かれています。一つ一つ乗り越えてきた困難が胸に迫り、周囲の人達とのあたたかなつながりも心に残りました。


 『あおいアヒル』は、ワニの赤ちゃんを育てたアヒルが歳をとり、今度は成長したワニに見守られるようになる様子を描いた絵本です。お互いに大好きだから幸せだという思いが伝わってきました。静かな青で描かれたやすらかな絵とともに、信頼感に満ちた関係が表現されています。

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 大阪弁に翻訳された絵本『マンマルさん』には、丸、三角、四角の姿をした登場人物たちが出てきます。単純な絵で表現されているからこそ、読み手の発想によって想像が膨らんでいくように思います。印象的な目の動きと生き生きとした会話から、それぞれの個性的な性格が浮かんできました。


 本年も、このように素晴らしい児童書が紹介されますことを大変嬉しく思います。今後も魅力あふれる作品が発表され、多くの読者のくらしを彩ることを願い、お祝いの言葉といたします。



佳子さまは紀子さまがご出席されていた時と同様、一冊づつ丁寧に読まれて感想文を述べられている。

今年は新型コロナウイルスにより贈呈式は行われず、残念だった。


下記の画像は昨年の贈呈式から:


 

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秋篠宮皇嗣殿下は、赤坂御用地内の赤坂東邸で行われた「山階芳麿(よしまろ)賞贈呈式」に臨まれた、と皇室ウィークリーに記載されていた。画像は無し。

 

【皇室ウイークリー】(649)

産経新聞 2020.7.10 06:0

https://www.sankei.com/premium/news/200710/prm2007100006-n2.html

 

皇嗣殿下 抜粋

 

 秋篠宮さまは6日、赤坂御用地内にある赤坂東邸で、「山階芳麿(よしまろ)賞贈呈式」(主催・山階鳥類研究所)に臨まれた。賞は鳥類学の研究者らに贈られるもので、秋篠宮さまは同研究所の総裁を務められている。


 宮内庁によると、例年、贈呈式は都内の民間の施設などを会場に多くの関係者が出席して行われるが、今年は感染症への配慮から規模を縮小。また、秋篠宮さまのお出ましに伴う警備や送迎など、大人数の移動や密集を避けるため、御用地内での開催となった。


 側近によると、九州地方などの豪雨被害をめぐり、秋篠宮さまは総裁を務める恩賜(おんし)財団済生会などを通じて報告を受けられているという。同会によると、大雨により一部で浸水被害のあった済生会大牟田病院(福岡県大牟田市)の状況や、現地での医療体制などについて報告を受けられたという。




「明治天皇例祭」に続きます。